認定看護師になろう

新しい認定看護師制度のカリキュラムについて

基準カリキュラム

新しい認定看護師制度のカリキュラム内容について見ていきましょう。大きく変わった点は教育時間数です。これまでの教育時間数は615時間ほどでしたが、特定行為研修が組み込まれたことによって、教育時間数は原則800時間程度となりました。内訳は、共通科目380時間、認定看護分野専門科目は180~225時間、統合演習15時間以上、臨地実習150時間以上です。800時間に満たない分野は、特定行為研修の区分別科目を追加しなければなりません。
共通科目には、指導15時間・相談15時間・看護管理15時間があらかじめ設定されています。また、認定分野の専門科目の時間数は15時間、30時間、45時間から選べますが、上限は45時間です。

特定行為研修を組み込んでいる

新制度では全認定分野に特定行為区分の「栄養および水分管理に係る薬剤投与関連」の研修内容が組み込まれています。その他、分野によって1~2区分の特定行為研修区分が追加される場合もあります。そのため、受講時間数は現行の認定看護師制度よりも長くなりますが、集合研修だけではなくeラーニングも併用しているため、集合研修の時間はこれまでと同じ6ヵ月程度です。また、800時間とは別に特定行為区分別科目における実習の時間も追加されます。

研修の期間と内容

2020年度の特定行為研修期間は、2020年7月13日~2021年6月末までの約1年間です。特定行為区分別科目は選択した特定行為区分によって時間数が異なります。例えば、共通カリキュラムである「栄養および水分管理に係る薬剤投与関連」は16時間ですが、「臨床推論」や「特定行為実践」などは45時間です。
研修方法は基本的に集合研修とeラーニング、そして臨地実習です。教育機関に入学してから始めの5ヵ月間はeラーニングで学びます。インターネット上の学習がメインとなるeラーニングですが、疑問や不安はその都度、担当教員と一緒に解決しながら進めていくため「分からないまま研修が終わってしまった」ということもありません。また、反復学習もできるため講義の理解をより深めることが可能です。
eラーニングにはいくつか種類がありますが、多くの教育機関で採用しているのが「全日病SQUE eラーニング」です。

その後、集合研修期間に共通科目を5日間、特定行為区分別科目を2週間ほど受講します。共通科目は、看護師が手順書を元に特定行為を行う場合に特に必要とされる実践的な理解力と思考力、判断力、高度な技術と専門的な知識などの向上を図るための研修です。専門的な医学知識がなければ特定行為を実施するかどうかを判断することはできません。そのため、研修では各専門領域における著名な講師陣を招き、よりハイレベルな講義を行っています。
研修の最後は臨地実習です。実習の症例数は選択した特定行為区分によって異なります。